| :12 プーケットの夜街 バングラ通り界隈には 夥しい数のBARが軒を連ねる区画があり 滞在中は毎日そこで何かしらお酒を飲んでいました これらのBARはどれもオープンで わかりやすくいうなら 屋台が犇めき密接しているようなかんじである それの豪華版といったところであろうか そんな状況であるから 効率上 当然 各店にトイレを1つづつという訳にはいかない 奥まったところに共同の有料トイレがおかれているだけなのだ BARでしこたまお酒を飲んでいれば お酒に含まれる水分が 体に吸収され 血管を通って全身に循環される そして腎臓で老廃物と飽和な水分を濾し それらは膀胱におくられ それが膀胱に一定量以上溜まると 尿意という刺激で排泄を促す つまり ションベンしたくなるのだ 僕は奥まったトイレに5バーツ(約15円)払って ションベンしに行きました このトイレというのが そもそも入口自体奥まったところにあるというのに 入口を入ると今度は狭い通路になっており 更に奥まったところまで進んで やっと辿り着くという ややこしい作りになっているのだ ちょっとしたお出かけである 僕もやっとこトイレまで辿り着き 念願の放尿を心ゆくまで堪能し スッキリ心機一転 飲み直すべくBARへと戻っていきました そして 狭い通路を出口まで歩いていると 考えられへん シチュエーションに出くわしました 前から おっぱい ポロンの スーパーモデルが 歩いてきたのです 高い身長 長い手足 小さな顔 スリムな肢体 引き締まった小尻 形のイイおっぱい しかし オカマである 何かのショーを終えた後か たしかにそこいらのBARで プチオカマショーのようなことをやっていた そのオカマの一人だろう 僕はなるたけ見ないようにしてやり過ごそうとしました そして すれ違い様 突然 オカマは むんずと 僕の腕を掴み ものすごい力で 僕をどこかへ攫おうとしてきたのである しまった後悔先に立たずもっと警戒しておくべきだった おりにふれて僕は タイ人にモテるという発言をしてきたが オカマには国籍不問でモテるのである つまり タイ人且つオカマなら 彼等にとっての僕は アニメヲタクの前に 実物の 綾波レイが現れたようなものだろう ほおってなどおけるはずがない わかっていながらにしてこの油断は 危機意識レベルの低い証拠である とはいえ反省したところで状況が改善されるわけではない 今ここにある危機から脱しねばっ と 必死でもがき オカマの手をはねのけようとしました が 相手はスーパーモデルに見まがうほどの巨体 元は大男であったろうそのオカマの力はすざまじく 酔ってヘロヘロ加減の僕の力では抗いきれず グイグイ引っ張られていきました 突然オカマが壁を足蹴にしだした すると 信じられないことに そこは隠し扉のような引き戸になっていて 壁から小部屋が現れたのだ 小部屋はショーガール(オカマ)の楽屋のようで 中にはもう二人 スーパーモデル(オカマ)が やはり おっぱい ポロんで 待機していた どの顔もとてつもなく美しい ミリオンバーツの大枚をはたいた成果だろう その美女(オカマ)達の小部屋に 引き込まれようとしている 僕の姿は 傍目には 天国の扉をくぐろうとしているように見えるかもしれない 実際僕自身 彼らの顔やスタイルやポロんのおっぱいを見やる度 このまま彼等に身を委ねることが はたして 不幸せなことなのか 幸せなことなのか 一瞬わからなくなるところだった しかし 美しければそれでよし という問題ではない 彼等は オカマなのである 根本 男ということなのだ 本懐を遂げる目的で 男子として生を授かった以上 男と まぐわる訳にはいかない 男の本分に悖る 男子の男子たる存在意義に悖る そう自分を奮い立たせたら 無限のパワーがみなぎってきた オカマの腕を振り払い 一気に走って 逃げることに成功した あの時 あのまま 抗いきれずに あの 異界の扉をくぐっていたら 今頃僕はどういうことになっていただろう 想像するだに恐ろしい 考えるだにおぞましい 皆さん 異界の扉は いつ どこで その口を開いているのかわかりませんよ ほらっ あなたの後ろにも・・・・・ 次にこの世界に迷い込むのは あなたかもしれない |